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ていねいな鍼

" ツボのこと "

2026年3月17日

ていねいな鍼とは

先日、Instagramで当院の紹介をしようと写真を前にして頭に浮かんだ言葉は「ていねいな鍼(はり)」でした。私が考える「ていねい」とは一体何を指すのか。単に「優しく刺す」だけではない、その裏側にあるこだわりを整理してお伝えしたいと思います。

 

刺す前に8割が決まる

一般的に「ていねいな鍼」というと、ゆっくり刺したり、繊細に鍼を動かしたりする「技術」をイメージされるかもしれません。もちろんそれも大切ですが、それはあくまで一部。実は鍼を刺す前の準備段階にこそ、本当の「ていねいさ」があると思います。鍼治療の工程を分解すると、大きく5つに分けられます。

 

  1. 選穴:どのツボに鍼をするか決める
  2. 取穴:ツボの位置をミリ単位で特定する
  3. 設置:鍼をツボの真上に正確に当てる

—(ここからが「刺す」工程)—

  1. 刺入:鍼を刺す
  2. 手技:刺した鍼を操作する

 

1〜3の「刺す前」の工程で、治療効果の8割が決定すると言っても過言ではありません。ここを疎かにすることが、私にとっての「雑な鍼」です。

 

では、刺す前の「ていねいさ」とは具体的に何を指すのか。ポイントは2つあります。

1.「なぜそこか?」という根拠へのていねいさ

例えば、腰が痛いときに「痛いところ(腰)」にだけ鍼を打つ。これは誰にでもできます。しかし、原因が別の場所にあることも少なくありません。WHO(世界保健機関)が認めているツボだけでも361個あります。その中から、

 

  • なぜ、そのツボを選んだのか?
  • 症状の原因に対して、どうアプローチするのか?

この問いに対して、明確に説明できる根拠を持っていること。この思考のプロセスこそが、プロとしての「ていねいな選穴」です。

2.「ミリ単位のずれ」がゆるされない

ツボの大きさは、私の感覚では「ゴマ一粒」ほどのサイズです。部位によっては「パスタ」のように細長かったり「フリスク」くらいの大きさだったりしますが、決して大きなものではありません。その小さな的に対して、直径0.1mmほどの鍼先を当てる必要があります。実は、ツボの捉え方は鍼灸師によって個人差があります。

 

  • 「小豆」くらいの大きさで捉えている人
  • 「ゴマ」くらいの大きさで捉えている人

 

この認識の差が、結果に大きな違いを生みます。ツボの中心からわずか1ミリずれるだけで、体に与える響きや効果は「天と地」ほど変わってしまうからです。「ここだ」という一点を指先で探り、集中して鍼をセットする。この当たり前のような一瞬に全神経を注ぐことが「ていねいな取穴」といえます。

おわりに

「ていねいな鍼」とは、決して動作がゆっくりなことだけを指すのではありません。

患者さんの身体が出しているサインを見逃さず、最適解を導き出し、正確にアプローチすること。

 

これからも、この「刺す前のていねいさ」を積み重ねて、皆さまの心身と向き合っていきたいと思います。

 

 

この記事を書いた人

鍼灸院めぐる 院長

2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。

 

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