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さようなら 『鍼灸整骨院めぐる』

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2016年10月6日

廃止届を提出

こんにちは。院長の谷口です。

 

先日、保健所に行ってきました。

 

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『施術所廃止届出書』を提出するために。

 

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そうです、整骨院めぐるを廃止する手続きです。

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

 

ややこしいので、もったいぶらずに言います。

 

 

 

この度、院名を『鍼灸整骨院めぐる』から『鍼灸院めぐる』に変更しました。

 

 

・・あれっ?

 

 

たいしたことじゃない? そう言わずに続きを読んでください。

 

 

 

院名を変更する手続きだけなので、カンタンだと思っていましたが、院名から「整骨」を除くということは、整骨院としての業務も廃止することになります。

 

「鍼灸整骨院」や「接骨鍼灸院」や「○○鍼灸院○○整骨院」などのネーミングをされている院は、鍼灸と整骨(接骨)の2つをやってますよ、ということです。

 

正式な登録としては「鍼灸院」と「整骨院」の2つの院を1つの場所でやっていることになってます。

 

外見上はなにも変わらないのですが、院内の業務として「整骨院ではなくなった」ことを届出する必要があります。

 

整骨院としての業務(健康保険の取り扱い)は昨年の4月から行っておらず、事実上は鍼灸院として自由診療のみで運営していました。

 

その理由は、施術方針の変更です。症状に対してどのような考えで施術を行うのか、その答えが開院して7年の間に変化していきました。

整骨院は安定の象徴

整骨院、接骨院を開くことのできる柔道整復師の特徴は、ほねつぎができることです。業務の中心が「ほねつぎ」であることにアイデンティティがあったはずの柔道整復師。

 

時代の流れとともに、現在では「捻挫」を健康保険で施術することが業務の中心となっています。

 

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柔道整復師の数はここ数年で激増しています。捻挫の施術をすることが人気で増えているわけではありません。「健康保険」の取り扱いが容易だからです。くわしくはこちらの記事に書いています。(≫「ほねつぎ」って何ですか?【2】

 

健康保険の取り扱いは、すなわち安定した来院者数が見込めると思い込んでいました。鍼灸師になりたての20代前半は自分の鍼灸術に自信がもてなかったことも手伝って、鍼灸師よりも安定しているらしい柔道整復師がまぶしく映っていました。

 

そんな中、若さ故の勢いも手伝って結婚をしましたので、余計に夢よりも現実を直視することになります。将来の安定を見すえて「柔道整復師」を取得することにしました。

鍼灸と柔道整復は似ているの?

「柔道整復師」を取得するための養成学校、大学には「はり師・きゅう師」(鍼灸師)「あん摩マッサージ指圧師」の学部もあることが多く、医療従事者としてのカテゴリは〈同じようなもの〉とされています。

 

現に、柔道整復師と鍼灸師の二つの免許を持っている人は少なくありません。手に職を持ちつつ、安定した収入を。そんな「鬼に金棒」のようなイメージで二つの資格を取得する人も多かったと思われます。私はそのようなイメージを持っていました。

 

古代より伝わった優れた医術、伝統医学という点では共通です。ただ、私は同一人物が鍼灸師と柔道整復師を同時に操ることは至難の技だと感じるようになりました。

柔道整復師の施術

整骨院では「ケガをしたところ」「痛いところ」に施術を行います。ケガをした部位へのsample施術にのみ保険が適用されるからです。保険を適用させるためには「痛いところ」に施術を行うことが条件となります。

 

その上で全身を観察して施術を行うこともOKですが、足首の捻挫の原因(捻挫しやすい歩き方の原因)が骨盤にあるとして骨盤を施術しても保険の適用にはなりません。足首への処置のみ保険適用となります。

鍼灸師の施術

鍼灸院では、自由診療のことが多く、鍼灸師の方針によって自由に施術を組み立216033てることができます。全身を観察し、施術する部位を決める場合は必ずしも「痛いところ」に鍼をするとは限りません。症状と原因の場所が離れていることも多くあるからです。

 

もちろん、「痛いところ」に鍼や灸をする考え方もあります。痛いところ(局所)も含めて体全体を施術の対象とします。

 

局所への鍼灸を主とした施術方針であれば、柔道整復師との共存は可能です。むしろ、局所へ対する施術の引き出しが増えてプラスと考えられます。

鍼灸+整骨 は鬼に金棒なのか?

一方で、症状のある部位と原因となる部位が違う・離れている場合、原因となる部位への施術は柔道整復術で保険適用になりません。(健康保険を使わずに自費の施術なら、もちろん可能)

 

また、痛みのあるところへ施術(徒手療法や電療)を行うことはリスクも伴います。痛みはサインです。動かしたり、刺激をしないでしほいと身体から信号を発している部位でもあります。症状の原因が「痛い」ところにない場合、保険適用のために局所へ施術することは余計な手当てになることもあります。

 

私が取り組んでいる鍼灸術では、症状の起こっている部位と原因となる部位は別のことが多いために、痛いところに鍼をすることがほとんどありません。

 

原因を見つけ、そこへ施術を行ったのなら、症状のある局所への施術は不要です。むしろ治ろうとする力を邪魔することになります。

 

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症状のあるところ(痛いところ)以外に原因を探ろうという意識のある施術者にとっては、柔道整復術による健康保険の取り扱いは不向きだと言えます。私はこう考えるようになり、徐々に健康保険による施術が減り、昨年4月で完全に廃止しました。

鍼灸整骨院めぐる 改め 鍼灸院めぐる

今回の院名変更は私自身の気持ちを整理するためであり、現在の施術自体が大きく変化したわけではありません。現在通院中の方、ここ数年で当院を通院された方にとっては、いつもの院内です。

 

実際の臨床では鍼灸を行っていますので、院名を変更することは当然のことでした。整骨院という文字が入ることで、「整骨院」での施術を望んでいる方にとっては迷惑なことでもあります。

 

「言ってることとやってることが違う」って言われると凹んでしまいますよね?まさに当院はそんな状態でした。整骨院と書いてるのに、保険も使えないし、テーピングや固定、電療もしないじゃない、と。

 

捨てるエネルギーは思った以上に必要でした。1年かかりました。捨ててしまえば軽く感じます。軌道修正ではなく、7年前に開院した当初に戻って、一から始める気持ちです。

 

 

私が柔道整復師と名乗ることはないでしょうけど、学んできたことは今後の人生でも存分に活かしたいです。

 

これからは「鍼灸」にできることにこだわってスタッフ共々精進してまいります!

 

 

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ロゴも若干の修正。

色もちょっと明るくなり、さっぱりしました。

 

 

 

(院長:谷口一也)

この記事を書いた人

鍼灸院めぐる 院長

2010年「鍼灸整骨院めぐる」を開業。同年、活法に出会い衝撃を受ける。2016年に根本的な施術を目指し保険での柔道整復施術を停止する。「鍼灸院めぐる」に改名。スタッフと2名で鍼灸専門として日々奮闘中。気ままなブログ「はりパパ日記」もたまに更新中。

 

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